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モンテッソーリ教育と1歳児こびとちゃんの子育てブログです☺︎

【イタリア】モンテッソーリの直接の弟子、PINI先生と出会った話

本日生後4ヶ月を迎えたこびとちゃんです☺︎
最近、音楽を流しているととてもおとなしくしてくれるようになり、Amazon Musicに大変お世話になっております(笑)

今日は前回のローマのモンテッソーリ自身がつくった子どもの家を見学した後、午後からモンテッソーリ教育の小学校を見学させてもらったときのお話です。

(前回の内容はこちらです↓ )

demichannel.hatenablog.com

ここで、なんとモンテッソーリの直接のお弟子さんであるPINI先生にお会いし、音楽の授業を見学させてもらうことができました!

その後も子どもたちと一緒に英語のクラスを受けたり、イタリアならではの障害のある子も混ざるインクルーシブな体育のクラスを見学させてもらったりしました。

世界規模のモンテッソーリ教育

子どもの家から小学校に移動する間に、通訳をしてくれたモンテッソーリ小学校の英語の先生からいろいろとお話を聞くことができました。
いまやモンテッソーリ教育を行う学校や子どもの家は世界中にあり、少し前にモンテッソーリ教育100周年記念では大きなイベントも行ったそうです。
最近では、中国のモンテッソーリ教育の学校と交流があり、現地を訪れたときには熱烈に歓迎されたとお話されていました。

AMI (国際モンテッソーリ協会)のHPでは、世界中のモンテッソーリ教師の求人を見ることができ、先生のトレーニングも世界各国でされています。

JOBS | Association Montessori Internationale

こんなに世界規模に組織された教育機関は他には国際バカロレアくらいではないでしょうか。私もいつか国際の資格を取りたいと思います。

モンテッソーリの直接の弟子、PINI先生

「この小学校では週に1回モンテッソーリの直接の弟子であるPINI先生というおばあちゃん先生が教えに来ているけど、今日は来られるかわからない」と聞いていたのですが、なんと幸運にもお会いし、音楽の授業を見学させていただくことができました。

このPINI先生がなかなかおちゃめで、少しお話しただけでそのお人柄が大好きになりました。

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「一緒にお写真撮らせていただいてもいいですか?」と聞くと、「Selfi? (自撮り?)」と笑顔でOKしてくださった、おちゃめなPINI先生


PINI先生は80歳前後のおばあちゃんですが、10回ほども日本にもいらっしゃったことがあり、日本のモンテッソーリ教師の先生方とも交流があるそうです。「富士山」「さくら」など、まだ覚えている日本語をとても嬉しそうに話してくださいました。

そして驚いたことにPINI先生は英語がお上手なのです!
イタリアに行かれた方ならわかると思いますが、イタリアの言語教育はヨーロッパの割にはあまり進んでおらず、若い人でも日本人と同じように話せない人がほとんどです。
そんな中で、授業前後の短い時間でしたが、直接お話できて本当に嬉しかったです。

あなたはまだPICCOLOよ

「モンテッソーリ教育が大好きで、将来モンテッソーリ園をつくりたいけど、大学での自分の専攻も違うし、保育の経験もない」という話をPINI先生に話すと、「あなたは何歳?」と聞かれ、「23歳です」とこたえると「PICCOLO!」と言われました。
Piccoloはイタリア語で「小さい」という意味なので、日本語では「まだまだ若いじゃないの!」のような意味で仰ったのでしょう。

PINI先生にこの言葉をもらったことで、「80歳にもなるおばあちゃんからすると、私の今まで積み重ねて来たことなんて本当にちっぽけなんだ」ということ、そして「過去に囚われていたけど、未来は自由に選べば良い」ということに気づかされ、この道に進む原動力となりました。

PINI先生の音楽の授業

時間になると、音楽室に小学校低学年のクラスの子が担任の先生と一緒に教室に入って来ました。PINI先生がピアノ伴奏をして、順番に5人ずつくらいの子が、タンバリンやシンバルなどの楽器をみんなの前で演奏するという授業でした。
楽譜などはなく、ピアノに合わせて感じたことを演奏する、という形で、みんなとても丁寧に楽器を扱っていました。私が今まで経験した音楽の授業とは全然違った厳格な雰囲気が、とても印象的な授業でした。

モンテッソーリさんはどんな人?

授業中、授業後の短い時間にPINI先生に何を聞こうか必死に考えていたのですが、やはりPINI先生はモンテッソーリさんの直接のお弟子さんということだったので、モンテッソーリさんはどんな人だったのか聞いてみました。

そして、PINI先生のお答えは「自分にも、子どもたちにも、とても厳しい人だった。」というものでした。

なんとなく「あたたかく、優しい人だった」のような言葉を期待していたので意外でしたが、あの音楽の授業を見てからだとわかるような気がします。

初めて見たモンテッソーリ小学校の教室

音楽の授業のあとは、教室での授業に参加しました。

この小学校には見学者は普段来ないようで、子どもたちが大喜びで「一緒に勉強しよう」と誘ってくれました。とはいえ、イタリア語ができないので、先生のおすすめで英語をやっている子達に混ぜてもらいました。

モンテッソーリ環境なので、みんな数学や理科など様々な課題に各自取り組んでいました。重さの分野は分銅を使ったり、掛け算でもピンをさしたりして手を使いながら、感覚的にも学べる工夫がここでもたくさんありました。

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JanuaryやMondayの英単語を学ぶお手伝いで、問題を出す役を仰せつかったのですが、みんな嬉しそうにイタリア語で答えてくれるので、終始正解なのかわかりませんでした(笑)

障害のある子も一緒の体育の授業

イタリアには日本のような特別学級や特別支援学校がなく、みんな同じ授業を受けるインクルーシブ教育が行われています。車椅子の子が、補助の先生はいるものの、教室での授業はもちろん、体育の授業も一緒に受けている姿には驚きました。見ていて少し危なっかしくもありますが、障害のある子もみんなとボールを追いかけて楽しそうに運動していました。

今回の旅のお世話をしてくださった方が院長を務める精神病院も見学させてもらったのですが、イタリアでは日本のように閉鎖的ではなく、精神病院に入院していても仕事や学校にも通えるのだそうです。

幼い頃に一緒に学び、遊んだ経験によって、障害のある人への理解や共生への工夫につながっているのではないかと実感しました。

おしまいに

3年経った今でも、PINI先生の「PICCOLO!」の言葉は忘れません。

イタリア人らしい寛容で愉快なお人柄と、厳格で真剣な授業の雰囲気を併せ持つPINI先生にお会いできて幸運でした。間接的にモンテッソーリさんにお会いするという心踊る経験をさせてもらえて感謝です。

この翌日、NPOの運営する新しいモンテッソーリ園にも見学に行かせてもらい、イタリアでのモンテッソーリ教育事情を教えてもらったので、次回にまとめたいと思います。

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 *【第一話】モンテッソーリがつくった世界初の子どもの家に行って来た話

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*【第三話】新しいモンテ園にて「始めるは易し、続けるは難し」

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